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フロム・ヘル (続き) [コミック]


フロム・ヘル 下

フロム・ヘル 下

  • 作者: アラン・ムーア
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2009/10/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



前回の続きですが..
大枚はたいて買いましたものですから、再読してみましたよ。
うーん、やはりダメですね。詳解を読むと、この作品の仕掛け、
知識量、構成力etcの凄さは判るのですが、ダイレクトに感じる
ものってないんですよね。
パズルを解くような読み方もあるのでしょうが、いかんせん背景
となる文化、社会的教養が私には欠けているし、そもそも興味も
ない。
で、結論。サー・ウィリアムの狂いようはペダンチックでくだらな
いよな、で終わり。

唯一、強く印象に残ったのは、当時の社会の貧困、とりわけ娼
婦の生活の悲惨さ、でしょうか。

ずいぶんな感想となってしまいましたが、このモチーフはやはり
読者を選ぶ、ということで。






フロム・ヘル [コミック]


フロム・ヘル 上

フロム・ヘル 上

  • 作者: アラン・ムーア
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2009/10/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



待望のアラン・ムーアの翻訳本。上、下巻を3時間で一気読み。
当然のごとく消化不良となりました(笑)。しかし、内容が陰惨な
だけに再読して読み込もうという気はなかなか起きないだろうな
あ。モチーフ自体に対する興味が元々薄いというかほとんどなか
ったりもするので。他のムーアファンもヴィクトリア朝末期の英国
社会という背景と切り裂きジャックというモチーフはなかなか取っ
付きにくいんじゃあないかと思います。
ジュンク堂書店には山積みされてあったけど内容と値段を考える
とそんなにはける本にはとても思えないですね。
しかし繰り返すようですが、上下巻合計で5,460円ってコミックス
でこんな高い買い物したのも初めてで、原書版のような変則サイズ
のペイパーバック1巻にして値段は抑えてほしかったですね。



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メビウス展 京都国際マンガミュージアム [コミック]

フランスコミックの巨匠メビウスの企画展があるのを知ってのこのこと
京都国際マンガミュージアムを訪ねてみました。

入口の庭(元校庭)はたくさんの子供たちが寝そべったりしながらマン
ガを読みふけっており、まさにマンガヘブン状態。中も床や階段に座り
こんでマンガを読む子供たちでいっぱいです。

さて、企画展はアルザックの1話目とかブルーベリーのイラストとか最近
の作品の複製が並べてありました。白黒の作品には見入っちゃいます
ね。でも、デジタル採色されたものはなんだか。本も十数冊置いてありま
したので、ぱらぱら捲って観ましたがデジタル彩色されたリニューアルの
アンカルシリーズには違和感アリアリ。

展示会自体は全然たいしたことありませんでしたので(やっぱり原画でな
きゃ)、収穫と言えば久々に本を買ったことでしょうか。売店に売っていた
本は以下の通り。
40days dans le Desert B
INSIDE MOEBIUS(2~5巻だったかな)
LE CHASSEUR DEPRIME Tome 1
LE .は魅かれるものがありましたが、フランス語判らないですし、INSIDE
は、言葉はもちろんですが、メビウス得意(?)のラクガキのような書きなぐ
りのイラストがなんともはや。なので40days..を買ったのですが、サイレント
&白黒はメビウスのアートを楽しむにはちょうどいい感じです。しかし、結構
なお値段ですね(4,200円)。


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ヘルボーイ 闇が叫ぶ [コミック]


ヘルボーイ:闇が呼ぶ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

ヘルボーイ:闇が呼ぶ (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

  • 作者: マイク ミニョーラ
  • 出版社/メーカー: ジャイブ
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: コミック


アートをDUNCAN FEGREDOが担当したヘルボーイの新作。マイク・ミニョーラ本人
のカクカクしたアートの方がもちろん好きなのですが、このFEGREDOのアートも全く
悪くないです。マイクの線を丸く細く、で描きこみも細かくした感じなのですが、ヘル
ボーイの世界が損なわれずにイイ感じに維持されています。

ストーリーの方は、ディテールがいままでの物語、登場人物の絡みで引き摺っている
部分が多いので、物覚えの悪い私には、これ何だったけと思うこともしばしばで、巻末
の注釈は必須ですね。以前より判りやすくなくなった分、盛り上がりには欠けますが、
別に文句があるわけでもありません。作品の間隔が空きすぎるというのが読者にとって
はツライところだと思います。(ジミーコリガンのVOL2はまだ出ないの?忘れちゃうぞ)






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SAVAGE SWORD of CONAN [コミック]


The Savage Sword of Conan (Conan (Graphic Novels))

The Savage Sword of Conan (Conan (Graphic Novels))

  • 作者: Roy Thomas
  • 出版社/メーカー: Dark Horse Comics
  • 発売日: 2008/01/02
  • メディア: ペーパーバック


英語の本よりアメコミの英語の方がよくわからないのですが、さらに、それが
ヒロイックファンタジー系となればもう何がなんだかさっぱりわかりません。
原作のロバート.E.ハワードの翻訳本も昔1冊読んだだけですし。

で、この「the SAVAGE SWORD of CONAN」。以前、同出版社から出ていた
カラー編集版を買って、絵が台無しでガッカリしていたので、今度は出版当時と
同じ白黒版のコナンが読める(というか見れる)のでVOLUME 3まで一気に揃え
てしまいました。

このうち1冊選ぶとすると、アーティストのバラエティさでVOLUME 1でしょうか。
初期のシリーズを描いたアーチスト、バリー・スミスの大傑作「氷神の娘」や、ジョ
ン・ブシーマ&アルフレッド・アルカラの鉄壁コンビ(アルカラの描きこみ、線の繊
細さに驚き)、さらに異色なのはアレックス・ニーニャのコナン!アルカラの上をい
く旨さと描きこみに、丸みを帯びた表現力豊かな線は本当に凄い。当にワンアンドオ
ンリーのスタイルですね。

VOLUME4からは買おうかどうか迷ってます。「なか身検索」で見てみましたが、
アルカラが抜けていわゆる普通のアメコミの絵になってしまっているようですから。


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ロバート・クラムBEST [コミック]


ロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with women

ロバート・クラムBEST―Robert Crumb’s troubles with women

  • 作者: ロバート・クラム
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 大型本


こちらも書店で目にして反射的に購入したのですが、訳者のチョイスが、
クラム自身の自伝的作品が中心のため、抑圧、コンプレックス、ヘンタイ
尻フェチ爆裂の暗黒面満載で、読んでてシンドクなりました。

クラムの作品で興味があるのは、カウンターカルチャーのアンチヒーロー
(というかタダのいいかげんなヨタ猫)、フリッツ・ザ・キャットでして(「天下
無敵の迷惑者」ミスターナチュラルもいいかも..)、2作品しか掲載されてま
せんでしたが、他に日本語訳は手に入りませんし、英語版をamazonで購入
しようとしても入手不能だったりしたので、まあ後悔はしておりません。

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フリッツ・ザ・スタチュー by Bowen Designs








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ヘルボーイ プラハの吸血鬼 [コミック]


ヘルボーイ:プラハの吸血鬼 (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

ヘルボーイ:プラハの吸血鬼 (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ジャイブ
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: コミック



新刊が出ると反射的に買ってしまうヘルボーイですが、今回は短編集なので、
中、長編に感じるあの味わい深さ、奥深さはかなり削がれてしまっているよう
に感じます。

内容的にはリチャード・コーベンがアートを担当した「マコマ」が本書のメインと
なる作品でしょうか。極端なデフォルメとカラーリングがコーベンの作風なのですが、
しかし、いつまでたってもデッサンはヘタだなあと、半ば感心する次第です。
ちなみに、ミニョーラがコーベンの紹介で「異次元を覗く家」を個人的には最高傑作
だと誉めそやしていましたが、私も最高傑作だと思います。「異次元」はデッサンが
飛躍的に上手くなってたのですが、何で元に戻ってしまうんでしょう?

さて、「人外魔境」の続きはいつ出るんでしょうね。

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ルパン三世 ファーストシリーズ [コミック]

不二子「裏切り者を消しにきたってわけ?」
ルパン「とんでもない。裏切りは女のアクセサリーのようなものさ。
     いちいち気にしてちゃ女を愛せるわけがない」  

          第一話「ルパンは燃えているか・・・?」

んー、不朽の名作とはこの緑ジャケのルパンのことを言うんですなあ。

初回シリーズのルパンはリアムタイム、再放送、再々と繰り返し観続けてき
て、それはもう全話素晴らしかったのですが、今回、改めて、DVDで見直して
みると、昔はほとんど意識することのなかった(子供でしたからね)前半と後半
のスタイルの違いが事の外、鮮明でした。すなわち、前半のハードボイルド&
アダルト路線(大隈演出)と後半のコメディ路線(宮崎&高畑演出)ですね。
当時、何でこんなに面白いのにすぐ終わっちゃったんだろうと思ってたのですが、
視聴率が取れなくて、途中からコメディ路線に方向転換したということを後で
知ったのでした。

で、最初の「不朽の名作」に戻ると、時代を経過して「不朽」となったのは前半
の10話あたりまでかと。後半は脚本はともかく、今観ると、絵柄の変貌ぶり
(特に不二子)には付いていけなくなりました。

やっぱり不二子といえば声優は二階堂有希子さんで絵はこれじゃなきゃダメ。

安定したクオリティを発揮する次元大介。頼りになる男。

五右エ門がその魅力を遺憾なく発揮したのは、ルパンの敵として登場した5話と
7話までじゃ?

後、前半で特筆すべきはオープニングの素晴らしさ。チャーリー・コーセーのルパン、
ルパン、のスキャットにあわせたカット割りと構図、また画面をネガのように反転さ
せてのクレジット挿入、と今観てもカッコ良すぎです。

例えば、これから

こうなって(モンキー・パンチの原作のキャラの立ち方そのもの!)

こう

とかね

不二子が踊るバックグラウンドの写真のコラージュにZeppelinのボンゾとロバート・
プラントの顔写真が入っていたのですね。ちょっとびっくりです。


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JIMMY CORRIGAN日本語版VOL.1 [コミック]

JIMMY CORRIGAN日本語版VOL.1

JIMMY CORRIGAN日本語版VOL.1

  • 作者: CHRIS WARE/クリス・ウェア
  • 出版社/メーカー: PRESSPOP GALLERY
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: 単行本

この手のグラフィック・ノベルにはあまり興味はなかったのですが、世の評判が評判なだけに
日本語版が出た機会に購入してみる事に。

さて、一読した感想ですが、いきなりの細かいテキストに度肝を抜かれ、シンプルだが練り上げら
れたグラフィック、ペーパークラフトから複雑な構成イラスト等、作品全体を覆うビジュアルの凝り様
は尋常ではありません。ストーリーも現実と幻想、過去と現在が交差し、作品全体がパラノイアとも
呼べるディテールで多い尽くされており、これはもう、再々読ぐらいしないと、十分に味わえない
世界です。
ただ、本作は、嵌りこそすれ、気分的には楽しいとかカタルシスを感じるなどとは程遠いのではない
でしょうか。同じパラノイアでも、それがファンタジーを構成するアラン・ムーアの作品と違って、こちら
は極めて内向的で、それも地味で不安、孤独、恐怖を表すものですから。

本作の帯の宣伝文句に「コミックを芸術・文学の域に高めた」とあります。芸術と称されるのはむべ
なるかなと思いますが、文学の域などと形容されるのは、独自の表現手法を駆使する本作に対し、
ちょっと失礼な気もします。

ともあれ、これはもう、Vol2、3とお付き合いしていくしかありませんが、メビウスの「アンカル」翻訳版
のように1巻で終わってしまわないことを切に願います。出版社のホームページには2年に渡ってと
書かれてありますが、それじゃ間が空きすぎなのでは。

最後に、本のサイズは小さくて、結構しんどいです。原版と同じなんだと思いますが、日本語版はもう
一回り大きくしてほしかった。


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フランク・ミラー「300」 [コミック]

300(スリーハンドレッド)

300(スリーハンドレッド)

  • 作者: フランク ミラー
  • 出版社/メーカー: 小学館プロダクション
  • 発売日: 2007/05/18
  • メディア: 単行本

映画「シン・シティー」の原作兼監督として世間一般でも有名になったアメコミ界のイノベーター、
フランク・ミラーの「300」。
本作は、彼の作品に共通するテーマである己の正義に殉ずる信念(ここでの正義はスパルタの法)、
が、ペルシア戦争での「テルモピュライの戦い」のレオニダス王をモチーフに描かれるわけですが、
ストーリー展開と構成力、テーマを際立たせるミラーのハードボイルド・タッチのスクリプトは非の打ち
所がないと言っていいんではないでしょうか。愛するものへの別れの言葉さえも胸にしまい込んで、
戦いへと赴くレオニダス王なわけです。

さて、ミラーが「子連れ狼」に影響を受けているのは有名な話で、アートの技法もどこまで影響を
受けたのかは定かではありませんが、独特のラフで力強いタッチは、テーマとよくマッチしています。
(カラリストのリン・ヴァーリィも相変わらず素晴らしい)

しかし、実は私は彼のアートってそれほど旨いと思わないし、好きな方ではないんですね。なので、
ミラーの作品は彼がライターだけの方が私は好きです。よって私のフェイバリットは「ダークナイト・リ
ターンズ」でもましてや「シン・シティ」でもなく「バットマン・イヤーワン」です。
アート、ストーリー共にこれほど完璧な作品というのは私は他に知りません。
「300」をネタにバットマンを紹介するつもりはなかったのですが、ミラーといえばどうしてもライター
だけの作品の方に感心してしまうので。。

バットマン:イヤーワン

バットマン:イヤーワン

  • 作者: Frank Miller, David Mazzucchelli, 秋友 克也
  • 出版社/メーカー: ジャイブ
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: コミック


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